うつ病を楽にする中医薬


 

中医学における「鬱症」と現代医学における「鬱病」

 

中医学における「鬱症」とは、精神的なストレスや情緒の変動が原因となり、人体の「気」の流れが滞ってしまう(気機鬱滞=気の運動が滞ること)ことで引き起こされる病証(中医学的な病名)です。精神面では、気持ちが沈む、抑鬱、情緒不安定、イライラ、怒りっぽい、よく泣くなど、身体面では、咽喉部の異物感(梅核気)、胸腹の脹りや痛み(胸脇苦満)、不眠、動悸、食欲不振、ため息などが現れる事が多いです。

 

一方、「鬱病」は国際的な診断基準(DSM-5IDC-10など)に基づき、医師が診断を下す「病気」です。セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れるなどの脳の不調が原因と考えられています。特徴としては、憂鬱な気分や意欲の低下などが2週間以上続き、日常生活に著しい支障をきたします。休息や適切な薬物療法、環境調整が必要です。

 

中医学の「鬱症」は現代医学の「鬱病」は完全に一致するわけではありませんが、同一視される事が多いようです。しかしながら、共に精神的な抑鬱や不安、身体的な不調が複雑に絡み合う状態なので類似点は多いと言えましょう。

鬱症の弁証論治

 

【初期:実証】主に気の停滞が中心

弁証   主な症状             治法      代表的な方剤

      肝気鬱結 情緒不安定、ため息、胸脇の脹り  疏肝理気     柴胡疎肝湯

      気滞痰鬱 梅核気、動悸           理気化痰     半夏厚朴湯

      気鬱化火 イライラ、口苦、不眠、赤ら顔   清肝瀉火     加味逍遙散

 

【慢性期:虚証】臓腑の消耗が中心

弁証   主な症状             治法      代表的な方剤

      心脾両虚 物忘れ、多夢、食欲不振、無力感  健脾養心     帰脾湯

      心腎陰虚 不眠、不安感、手足のほてり、寝汗 滋陰安神     天王補心丹

 

【以上は一部ですので、詳しくはご本人がご相談ください。】