妊活・子宝相談


不妊症というと、昔は奥様側にばかり原因を求める傾向がございましたが、現在では旦那様側に原因があることも多いことが広く知られております。ですからお子様が授かりにくい場合には、是非とも旦那様も病院で検査を受けていただくことをお勧めします。

また、お子様が授かりにくい原因の多くは簡単に言うと「虚弱体質」です。虚弱体質と言っても元々虚弱とは限らず、過労や睡眠不足、精神的ストレス、過度なダイエット(減量)などの栄養不良、または運動不足などが積み重なることによって、そうなってしまう場合もあります。このような場合には虚弱な体質を芯から強くすることが必要ですが、弊店では中医薬を利用し、必要に応じた生活指導を併用することで極めて良い効果を上げています。

興味がある方は、お気軽にご予約の上でご来店ください。


中医学的に見た不妊症の原因と対策

 

①腎虚(じんきょ)

直訳すると「腎臓が弱い」という意味。しかしながら中医学の腎は現代の腎臓と同じではありません。内分泌系(ホルモン系)がとても弱いため、経血が非常に少なく、月経の遅れが甚だしいものとイメージするのが適切と思います。

この腎虚には陽虚(身体を暖める力が弱いもの)と陰虚(身体を潤す力が弱いもの)があります。

治療法としては「当帰」剤に体質に合った「補腎剤」を加えて体質強化します。このタイプは非常に体質が弱いので、特に機能を高める作用が強い合介「動物性」の補腎剤を多用します。

 

②肝鬱(かんうつ)

ストレスが溜まりすぎて「気の流れ」が滞ってしまったもの。

月経周期は一定しない。家庭環境や職場環境で我慢を強いられたりするとなりやすいのは当然ですが、元々我慢強かったり、自分の感情を表現するのが苦手な方では環境がさほど抑圧的でなくても肝鬱になってしまうことがあります。

経血量は少なくなりがちで血塊が混じりやすい。月経前に胸が脹って痛む。月経前にはイライラが強く出やすい。

「柴胡」(サイコ)「芍薬」(シャクヤク)「香附子」(コウブシ)「薄荷」(ハッカ)などの緊張を解して気の流れを整える生薬に婦人科には必須の「当帰」剤を追加して用います。

 

③痰湿(たんしつ)

簡単に言えば肥満傾向が顕著な人。肥満はさほど身体が弱くは見えないが、意外と弱い体質が多い。肥満により排卵障害が起こりやすいだけでなく、肥満はインスリン抵抗性(糖尿病の原因の一つ)を引き起こしく、このインスリン抵抗性は排卵の妨げになることが知られています。また、インスリン抵抗性とPCOS(多膿疱性卵巣症候群)との関連もあるそうですから、太りすぎは改善することが望ましいです。

他に、生理が遅れがち。または無月経。帯下が多いなどの症状があります。

 

④血瘀(けつお)

血行障害のことですが、血栓、腫瘤(できもの)などを伴うものも多いです。子宮内膜症や子宮筋腫はほとんどこのタイプ。

血流が詰まっているので月経が遅れがちで出血量は少ない。しかし反対に詰まったホースが破けた時のように、早めに多量となることもある。生理痛がひどい場合が多い。舌が紫色。

「桃仁」「紅花」「丹参」(タンジン)「莪朮」(ガジュツ)「三稜」(サンリョウ)などの固まった血液も溶かしながら血流を改善する生薬をよく使います。