“老化”は加齢に伴う生理機能の低下ですが、単なる機能低下だけでなく、漢方や中医学で言うところの「瘀血」も深く関わっています。
「瘀血」(おけつ)は「滞った血液」のことを指しますが、要するに明らかな血行障害と言えましょう。多くは動脈硬化や血栓が関連していると考えられます。
実は漢方相談の仕事を長く続けていると、「瘀血」のある方が意外なほど多いことに気付かされます。
「瘀血」の症状とは一般には「痛み」「コリ」などが挙げられるのですが、必ずしもそんなに分かりやすくはありません。
「瘀血」による血行障害は、細動脈-毛細血管-細静脈を合わせた「微小循環」が重要です。
特に毛細血管においては血液と組織の間での酸素や栄養の供給、老廃物の回収を行っており、ここで血行障害が起これば、様々な組織の機能が低下してしまいます。
実際に「瘀血」が見られる方に「丹参」(たんじん)を主薬とする「活血化瘀薬」を服用していただくと、「元気になった」「疲れにくくなった」などの感想をいただくことがとても多いのですが、それは上記のことを証明しているように感じます。
また、美容面でも老化によって皮膚のターンオーバーの質も速度も低下し、しっかりした皮膚が作られ難くなるので、皮膚のくすみ・シミ・シワ・たるみなどが目立つようになっていきますが、これも「瘀血」による血行障害が衰えを促進していることが多いと思われます。
皮膚を若返らせるためには、皮膚に対する「気」(エネルギー)や「血」(血液)が上手く供給されるように工夫する必要があるのです。
令和7年8月7日 作成
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