夏と健脾散について
健脾散は宋代に編纂された「太平恵民和剤局方」に掲載されている処方が元になっており、「胃腸の機能が低下」(脾虚)して食欲不振、お腹が脹る、息苦しい、嘔吐、下痢、力が出ないなどの症状がある方のために作られています。これらの症状の中には心肺機能の低下によるものも含まれていますが「胃腸の機能が低下」していることが根底にあるのです。
◎中医学(漢方)的な分析
中医学では「脾は湿を悪む」と言われています。ここの「脾」とは現在の脾臓というよりも「消化吸収機能」だと思ってください。
私たちの消化吸収機能が低下すると、胃腸を中心に余分な水分が溜まりやすいのです。また反対に、水分や甘い物や脂質やある種の食品を取り過ぎると胃腸を中心に余分な水分が溜まり、消化吸収の働きを妨げます。
健脾散の場合は、胃腸機能の低下(脾虚)に加えて体内に余分な水分(湿邪)が停滞した場合に使用することが基本になります。
私たちの日本の夏は気温が高い上にとても湿度が高くて蒸し暑いので、ついつい冷たい飲食物を摂ることが多くなりますし、欧米化した食生活も体内に湿邪を生みやすくなっています。
このような環境における胃腸機能の低下に「健脾散」は打って付けなのです。
健脾散に限らず、中医薬(漢方薬)の使い方には工夫が必要な場合も多いので、詳細はご来店の上ご相談いただけることをおすすめします。
最後に健脾散の効能・効果などについて記載します。
【効能・効果】
体力虚弱で、胃腸が弱く、痩せて顔色が悪く、食欲がなく下痢が続く傾向があるものの次の諸症:
食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠、消化不良、慢性胃腸炎
【用法・用量】
成人(15歳以上) 1回1包
15歳未満7歳以上 1回2/3包
7歳未満4歳以上 1回1/2包
4歳未満2歳以上 1回1/3包
2歳未満 1回1/4包
いずれも1日3回、食前又は食間に服用してください。
【成分・分量】
本品1日量3包(5.1g)中、下記成分及び分量の生薬より製した健脾エキス4.5gを含有します。
ニンジン、ビャクジュツ 各2.4g
サンヤク、ブクリョウ、レンニク 各3.2g
ヘンズ、キキョウ、シュクシャ、シュクシャ、カンゾウ 各1.6g
2025/0707作成
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