【ご相談記録】ひどい呼吸困難・空咳(間質性肺炎) 令和7年8月14日(木)
【詳細】78歳男性。今から1年3ヶ月位前、あるワクチンの2回目の接種後2日経った後、身体のだるさ、酷い空咳、あばら骨周辺の痛みが発症。61kgあった体重がこれまでに50kg弱にまで減少した。
通院している病院では肺が硬くなり縮んでいると言われている(後日、間質性肺炎と診断されました)。
現在は、手足がとても冷たく、食が細く、息切れ、息苦しい、だるい、息が吸いにくい、空咳(横になると悪化)を訴えていらっしゃいます。
過去に脳梗塞・腸閉塞の既往歴あり。
【証候分析】明らかな衰弱とひどい呼吸困難、ひどい手足の冷えより「肺腎陽虚」と捉え、身体を暖め、呼吸機能を回復させる漢方薬を服用していただきました。すると呼吸か楽になり、横になって眠れるようになって、たいへん喜ばれました。
※ご注意:間質性肺炎は完治できる疾患ではありませんが、病状を和らげ苦痛を減らすことを目標にご指導させていただいております。
ご参考:「腎は納気を主る」と言われるのですが、これは吸入した空気(酸素)をしっかり体内に取り入れる腎の機能を言っています。
すなわち呼吸は肺と腎が共同して行っているということです。特に重篤な呼吸器疾患ではこの「納気」について配慮する必要がございます。
【ご相談記録】妊活 令和7年8月12日(火)
【主訴】妊活希望
【詳細】36歳女性。生理周期28日間。生理期間5日間。高温期に体温下がりやすい。寒がり。肩こり。背中の痛み。経前2週間はニキビが出来る。舌下静脈怒張有り。
不妊外来に通ったが、卵巣が腫れて不正出血になってしまったので治療中止。
【証候分析】年齢と冷えより腎陽虚。舌下静脈怒張や身体の痛みより血瘀。補腎温養。養血活血。
【経過】服用7ヶ月間で妊娠し、無事出産されました。
【ご相談記録】妊活 令和7年8月12日(火)
【主訴】妊活希望
【詳細】33歳。女性。生理周期26~28日間。経血少なめ。経血に血塊が混ざる。軽度の生理痛有り。冷え性。疲れやすい。過去に卵巣嚢腫で手術を受けている。
【証候分析】経血少なめで疲れやすいので気血両虚を中心に捉え、さらに血塊があることで血瘀と30代であることで腎虚(加齢による機能低下)も考慮しました。
【経過】服用期間約6ヶ月で妊娠し、その後無事に出産されました。
【ご相談記録】ほぼ全身の皮膚炎・痒みが強い 令和7年8月12日(火)
【主訴】発症して2~3年。全身の紅斑(全身の皮膚が赤い)。特に右頬の赤みは黒ずんで深い赤色をしている。皮膚が熱い。非常に痒い。
【詳細】91歳。男性。痒みは入浴するとやや和らぐ。皮膚科に通院して投薬も受けているが改善が見られない。舌の赤みも強く少苔。夜間尿1日5~6回。不整脈有り。
【証候分析】
赤みが非常に強いので「血熱」(けつねつ)という炎症が強いものと考えました。ただ、血熱に対応する「清熱涼血薬」が胃腸に負担が掛かるので、胃腸を保護するような対策を取りました。
【経過】
効果については始めはやや鈍かったものの3ヶ月程度で見た目の赤みや熱感がほぼ無くなり、痒みもほとんど消えて現在に至ります。
【ご相談記録】胃腸虚弱による流産 令和元年5月3日(金)
【主訴】手先・足先を主とした冷え性。冷房に弱い。
【詳細】初めてのご相談の2ヶ月ほど前に早期流産。
元来、胃腸虚弱のために食欲少なく、少し食べ過ぎると吐き気がする。また、下痢しやすい。
疲れやすく、体力がない。体型はぽっちゃり気味。むくみは少しあり。
【証候分析】
主訴は冷え性ですが、胃腸虚弱が顕著であることと、胃腸虚弱と流産が関係あると思われるので、その旨をご説明させていただきました。
胃腸機能が弱い方の場合、飲食物から十分な栄養を吸収することができませんので、常にご自分が栄養不良の状態となります。そして、その状態で妊娠した場合、赤ちゃんに十分な栄養を補給することもできないので、ひどい場合はこの方のように不幸なことになってしまうのです。
またこの患者さんの冷えについて中医学的に考察すれば、「気虚(ききょ)」(エネルギー不足)であって、「陽虚」(気の「身体を暖める機能」が低下したもの)と言えるほどの程度ではないと思うので、「気虚」を改善しさえすれば冷えも改善されるはずです。何事にも適切ということが大切なのです。
【使用中医薬など】
この方はいわゆる「脾胃気虚(ひいききょ)」(胃腸の働きを行うエネルギーである気が不足している)が根本的な問題でしたので「ニンジン」「ビャクジュツ」「ブクリョウ」を主要とした中医薬を中心に服用していただきました。
次第に、胃もたれ・吐き気・食欲不振・下痢、そして疲れやすさなども改善し、服用開始してから5ヶ月後には無事に妊娠されました。
当初は「また流産するのではないかと不安です」とおっしゃられていましたが、私は「胃腸は強くなってますし、他に妊娠を妨げる要因は見当たらないので心配ないですよ」と太鼓判を押していました。
軽い悪阻(つわり)はあったものの、お腹の赤ちゃんは無事に成長し続け、もうすぐ赤ちゃんとお父さん・お母さんとの待ちに待った対面が実現するのです。私もとってもわくわくしています(^▽^)
【胃腸機能と妊娠についての補足】
消化機能は「後天の本」と言って、生まれながらの体質(遺伝要素)である「先天の本」と並んで、私達の生命活動のためには最も重要なものです。胃腸虚弱では栄養補給が上手くいかないので、健康や発育、老化に非常に悪影響があることは容易に想像できるでしょう。
胃腸の消化吸収機能が低下していると十分な消化が行われないため、普段から栄養不良の状態となります。その証拠として疲れやすい、気力がない、たいして動いていないのに息切れや動悸がするなどといった全身機能の低下がみられます。例え血液検査で栄養状態に問題はないと言われても、胃腸機能の低下にこれらの症状が合わさって見られれば、十分な栄養が補給されていない状態と考えるべきです。
そのためにこのタイプの女性が妊娠した場合、お腹の中の赤ちゃんに十分な栄養を供給することが難しいことがあります。
健康な母体にとっても妊娠・出産は重労働です。もしお母さんのつわりがひどく、十分な栄養補給ができなくても、赤ちゃんには十分な栄養が補給されます。これはまるでお母さんがご自分の命を削ってでも赤ちゃんの命を守り、育てようとしているかのように見えます。やはりお母さんは偉大だとしか考えられません。(つわりも中医薬で軽減できますので、お困りの方はご相談ください。)
【ご相談記録】ひどい腰痛と発熱 令和元年5月2日(木)
昨日のご相談です。
70代女性。元々腰痛があるが整形外科で診て貰ってもたいしたことないと言われている。1週間ほど前から腰痛がひどくなり、続いて37度代の発熱。病院に行って診察を受けた上で内服や座薬の消炎鎮痛剤を用いても全く良くならないので、何とかして欲しいとご相談いただきました。
食欲はなく、御主人様が作ってくれた美味しいおかゆもあまり食べられない。水分もあまり摂りたくない。上半身がほてる。だるい。とにかく腰が痛くて動けない。
数ヶ月前の検査では全て異常なしと言われていたそうですが、現在も内臓の疾患による発熱がないとも言い切れないと思うので、別の病院で診察していただく方が良いとお伝えした上で3日分の漢方薬をお渡ししました。
本日、お電話でご報告をいただいたのですが、痛みはだいぶ和らぎ、熱も下がってきているとのことでたいへん喜んでいただけました。私も少し安心しましたが、重い内臓の疾患がないことを願うばかりです。
腰痛というと腰自体の問題と考えがちですが、なかなか直らないものや発熱を伴うものについては甘く見ずに、1度詳しく検査していただくことをお勧めしたいと思います。
泰龍堂薬局
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