麦味参顆粒について

 

日本の夏はすっかり30度代半ばの酷暑になるのが普通になってしまいました。湿度もとても高いので亜熱帯化がしていると言えそうです。

特に炎天下もしくは冷房が十分でない環境におかれると身体に熱がこもり、汗を大量にかくことになります。

そうしますと大量の「気」(き:身体エネルギー)と「陰」(いん:体液)を失うために心肺機能に大きな負担がかかることになり、身体の火照り、喉の渇き、強い疲労感などを感じるようになります。すなわちいわゆる夏バテ~熱中症と言えましょう。

 

このような夏に人気が高い滋養強壮剤として「麦味参顆粒」(ばくみさんかりゅう)という中医薬(漢方薬の一種)がありますので、次に簡単な解説を記載します。

 

◎中医学(漢方)的な分析

この麦味参顆粒の元となった処方は金元四大家の一人である李杲[りこう](李東垣[りとうえん])(1180-1251)の著した「内外傷弁惑論」に収載されています。

その働きとしては、ニンジンで心肺の機能を高め(補気)、バクモンドウで潤しながら冷却(滋陰)し、ゴミシで気(身体エネルギー)や体液の必要以上の漏れを防ぐ(固摂)という組み合わせになっています。

 

どのような漢方薬にも言えることですが、体質によって使い方に工夫が必要なこともございますので、必ず漢方薬に詳しい専門家にご相談の上ご利用ください。

 

最後に日本において許可された【効能・効果】などについて記載しておきます。

◎麦味参顆粒

【効能・効果】

次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え性、発育期

【成分・分量】本品1日量2包(4g)中

ニンジンエキス 0.7g(原生薬換算量:ニンジン 3g)

バクモンドウ軟エキス 1.4g(原生薬換算量:バクモンドウ 2g)

ゴミシ軟エキス 0.6g(原生薬換算量:ゴミシ 1.1g)

【用法・用量】

次の量を、1日2回、食前又は食間に服用してください。

成人(15歳以上)1回1包

15歳未満8歳以上 1回1/2包

8歳未満     服用しないでください。

 

 

 

2025.06.29作成